ヨーヨーの戻りとオイルについて
「ヨーヨーはオイルを注すと戻りが強くなる」 ヨーヨープレイヤーなら誰でも知っているお約束です。
では、なぜオイルで戻りが強くなるのか、その理由については知っていますか?
ここでは写真を交えつつヨーヨーが戻る仕組みとヨーヨーにおけるオイルの役割について解説します。
では、なぜオイルで戻りが強くなるのか、その理由については知っていますか?
ここでは写真を交えつつヨーヨーが戻る仕組みとヨーヨーにおけるオイルの役割について解説します。
ストリングが巻き取られる仕組み
まずは固定軸ヨーヨーの構造を見てみましょう。
ストリングはシングルループ(1重巻き)で軸に直接掛けられています。
軸とストリングが完全に固定されていないため手元からから床の方へ落としたり
スローしたりすることによって回転力を与えられると、ヨーヨーはストリングの先でスリープ(空転)します。
このときストリングは軸の動きに合わせて常に回転方向に巻き取られそうになっていますが、
ヨーヨーの自重によってピンと張られた状態になっているため、そのままだと巻き取りには至りません。
ストリングの巻取りを発生させるにはストリングの張りを弱めてあげる必要があります。
その「ストリングの張りを弱める動作」こそ「手をチョンと引く動作」です。
手をチョンと引くとそれに合わせてヨーヨーが少し浮きますよね?
ヨーヨーが浮くとヨーヨーと手の間にあるストリングの張りが弱まり、
その結果ストリングの巻取りが発生し、ヨーヨーが手元に戻ってくるのです。
レスポンスがある固定軸ヨーヨーの場合はこの巻取りが2段階で行われます。
前述の通り手を引いてストリングの張りが弱まると軸がストリングを巻き取り始めます。
これを初期巻き取りと言います。
初期巻き取りが発生し、軸周辺でストリングが巻かれ始めるとある一定のところで
巻かれたストリングがレスポンスに触れます。
レスポンスは摩擦係数の高い構造(or素材)で作られているので、触れたストリングを強固に捉え、
軸単体の状態よりもしっかりとした巻取りをします。
このレスポンスによる巻取りを本巻き取りと言います。
初期巻き取りというきっかけによって本巻き取りを発生させる。
これがレスポンス有り無しのヨーヨーで戻りの強さと安定度に差がある理由です。
これを踏まえた上でオイルを使うヨーヨーの解説を進めていきましょう。
次の題材はトランスアクセルヨーヨー(プラスチックベアリングヨーヨー)
軸とストリングが完全に固定されていないため手元からから床の方へ落としたり
スローしたりすることによって回転力を与えられると、ヨーヨーはストリングの先でスリープ(空転)します。
このときストリングは軸の動きに合わせて常に回転方向に巻き取られそうになっていますが、
ヨーヨーの自重によってピンと張られた状態になっているため、そのままだと巻き取りには至りません。
ストリングの巻取りを発生させるにはストリングの張りを弱めてあげる必要があります。
その「ストリングの張りを弱める動作」こそ「手をチョンと引く動作」です。
手をチョンと引くとそれに合わせてヨーヨーが少し浮きますよね?
ヨーヨーが浮くとヨーヨーと手の間にあるストリングの張りが弱まり、
その結果ストリングの巻取りが発生し、ヨーヨーが手元に戻ってくるのです。
レスポンスがある固定軸ヨーヨーの場合はこの巻取りが2段階で行われます。
前述の通り手を引いてストリングの張りが弱まると軸がストリングを巻き取り始めます。
これを初期巻き取りと言います。
初期巻き取りが発生し、軸周辺でストリングが巻かれ始めるとある一定のところで
巻かれたストリングがレスポンスに触れます。
レスポンスは摩擦係数の高い構造(or素材)で作られているので、触れたストリングを強固に捉え、
軸単体の状態よりもしっかりとした巻取りをします。
このレスポンスによる巻取りを本巻き取りと言います。
初期巻き取りというきっかけによって本巻き取りを発生させる。
これがレスポンス有り無しのヨーヨーで戻りの強さと安定度に差がある理由です。
これを踏まえた上でオイルを使うヨーヨーの解説を進めていきましょう。
次の題材はトランスアクセルヨーヨー(プラスチックベアリングヨーヨー)
軸の上にベアリングを乗せ、そのまた上にストリングが乗る構造のヨーヨーです。
ストリングはダブルループ(2重巻き)またはトリプルループ(3重巻き)でベアリングに掛けられています。
強固に固定される掛け方なので、ストリングとベアリングの間で空転が発生することはほぼ有りません。
両者はがっちり繋がっていると考えてください。
強固に固定される掛け方なので、ストリングとベアリングの間で空転が発生することはほぼ有りません。
両者はがっちり繋がっていると考えてください。
これが軸の上に乗るとこうなります。
前述の通りストリングとベアリングは固定状態。
一方でベアリングと軸は固定されていないので、シングルループ(1重巻き)で
ストリングを掛けている固定軸のような状態になっています。
前述の通りストリングとベアリングは固定状態。
一方でベアリングと軸は固定されていないので、シングルループ(1重巻き)で
ストリングを掛けている固定軸のような状態になっています。
固定軸と構造は似ていても、ベアリングとアクセルは両方とも表面がツルツルしているため、
固定軸よりも長い時間スリープすることができます。
長く回ってくれるのはありがたいのですが、ここで新たな問題が発生します。
ベアリングの存在によってストリングと軸はある意味隔離された関係になっているので、
このままだと先ほど説明した初期巻き取りが発生しないのです。
初期巻き取りが起こらなければ本巻き取りも起こらない。
手をチョンチョン引いてストリングを暴れさせればまぐれで本巻取りが起こることがありますが、
きれいに巻き取られるとは限りません。
この「まぐれ本巻き取り」はとても危険な状態です。
中で結び目ができていたり、ストリングが噛んだ状態になっていたりするため、
次のスローの時にストリングが伸び切らず、ヨーヨーが顔めがけて飛んでくるおそれがあります。
このまぐれ本巻き取りを防ぎ、安定した初期巻取りを実現してくれる存在が「オイル」です。
固定軸よりも長い時間スリープすることができます。
長く回ってくれるのはありがたいのですが、ここで新たな問題が発生します。
ベアリングの存在によってストリングと軸はある意味隔離された関係になっているので、
このままだと先ほど説明した初期巻き取りが発生しないのです。
初期巻き取りが起こらなければ本巻き取りも起こらない。
手をチョンチョン引いてストリングを暴れさせればまぐれで本巻取りが起こることがありますが、
きれいに巻き取られるとは限りません。
この「まぐれ本巻き取り」はとても危険な状態です。
中で結び目ができていたり、ストリングが噛んだ状態になっていたりするため、
次のスローの時にストリングが伸び切らず、ヨーヨーが顔めがけて飛んでくるおそれがあります。
このまぐれ本巻き取りを防ぎ、安定した初期巻取りを実現してくれる存在が「オイル」です。
ベアリングと軸の間のごく僅かな隙間にオイルが入り込むと、その粘度によってベアリングと軸の関係性が高まります。
ドロッとしたオイルが間に存在していることでヨーヨーの回転方向にベアリング(とそれに繋がっているストリング)が追従するようになる。
つまり手を引くことで初期巻き取りを発生させることができるようになるわけです。
これがヨーヨーにオイルを注すと戻りがよくなる理由です。
オイルは初期巻き取りを安定して発生させる役を担う存在だったのです
ドロッとしたオイルが間に存在していることでヨーヨーの回転方向にベアリング(とそれに繋がっているストリング)が追従するようになる。
つまり手を引くことで初期巻き取りを発生させることができるようになるわけです。
これがヨーヨーにオイルを注すと戻りがよくなる理由です。
オイルは初期巻き取りを安定して発生させる役を担う存在だったのです
ボールベアリングヨーヨーの場合
今度はボールベアリングヨーヨーについて考えてみましょう。
ボールベアリングは内部に設置されたボールによって内輪と外輪が独立して動くベアリングです。
ベアリングの内輪と外輪はボールによって切り離された関係なのでプラスチックベアリングの更に上を行く回転時間を実現します。
当然この状態も初期巻き取りが発生しないので、引き戻しで使いたいときは外輪と内輪の間、
すなわちボールベアリング内部にオイルを注して内輪と外輪の関係性を高める必要があります。
ボールベアリングは内部に設置されたボールによって内輪と外輪が独立して動くベアリングです。
ベアリングの内輪と外輪はボールによって切り離された関係なのでプラスチックベアリングの更に上を行く回転時間を実現します。
当然この状態も初期巻き取りが発生しないので、引き戻しで使いたいときは外輪と内輪の間、
すなわちボールベアリング内部にオイルを注して内輪と外輪の関係性を高める必要があります。
バインドヨーヨーとオイル
バインドヨーヨーにもオイルを注して使うプレイヤーは少なからず存在します。一見「戻らなさ」と「長時間スリープ」 が魅力のヨーヨーを台無しにしているような行為ですがこれにはそうするだけの理由があります。
ひとつはベアリング寿命を伸ばすため。ボールベアリングは元々注油して使う機械部品であり、オイルレスで使うことのほうがイレギュラーであるといえます。注油すると防錆、ボールや保持器の摩耗防止、部品のがたつき低減による安定した動作などの効果が得られ、良いコンディションを保ったままベアリングを使い続けることができます。
ベアリングは工業用のミニチュアベアリングで数百円、ヨーヨー専用品で数千円程度するアイテムです。完全ドライの必要性がない場合はできる限り注油して長持ちさせることをおすすめします。
もうひとつの理由はフィーリングの変化を楽しむため。ヨーヨーというおもちゃはコンマ数ミリの差、コンマ数グラムの差によってフィーリングに大きな変化が現れます。当然ながらオイルによってもフィーリングが変化します。成分、粘度、注油量。オイルを研究することによって今あるヨーヨーをさらに自分好みのヨーヨーに変身させることができます。
そして見逃せないのが静音性の向上。ヨーヨーによっては回転音がうるさいモデルがあり、特に共鳴部分があるモデルは夜間はプレイできないほどの回転音を発することがあります。こういったヨーヨーのベアリングに注油するとベアリングから発せられる高音が抑えられ、その結果トータルの回転音が静かになることがあります。
注油量についてはプレイヤーの好みに委ねられますが、バインドによるリターンを主とするのであればさらさら系オイルでも1/4滴ほどに留めるのがよいでしょう。1滴も注してしまうと引き戻しに近いリターンになってしまいます。
ひとつはベアリング寿命を伸ばすため。ボールベアリングは元々注油して使う機械部品であり、オイルレスで使うことのほうがイレギュラーであるといえます。注油すると防錆、ボールや保持器の摩耗防止、部品のがたつき低減による安定した動作などの効果が得られ、良いコンディションを保ったままベアリングを使い続けることができます。
ベアリングは工業用のミニチュアベアリングで数百円、ヨーヨー専用品で数千円程度するアイテムです。完全ドライの必要性がない場合はできる限り注油して長持ちさせることをおすすめします。
もうひとつの理由はフィーリングの変化を楽しむため。ヨーヨーというおもちゃはコンマ数ミリの差、コンマ数グラムの差によってフィーリングに大きな変化が現れます。当然ながらオイルによってもフィーリングが変化します。成分、粘度、注油量。オイルを研究することによって今あるヨーヨーをさらに自分好みのヨーヨーに変身させることができます。
そして見逃せないのが静音性の向上。ヨーヨーによっては回転音がうるさいモデルがあり、特に共鳴部分があるモデルは夜間はプレイできないほどの回転音を発することがあります。こういったヨーヨーのベアリングに注油するとベアリングから発せられる高音が抑えられ、その結果トータルの回転音が静かになることがあります。
注油量についてはプレイヤーの好みに委ねられますが、バインドによるリターンを主とするのであればさらさら系オイルでも1/4滴ほどに留めるのがよいでしょう。1滴も注してしまうと引き戻しに近いリターンになってしまいます。